ノンフィクション

『1984年のUWF』柳澤健 著 文藝春秋

もうなんというか序章の少年中井祐樹が溜まらない。 小学生でプロレスを馬鹿にする同級生に口で負けたことがなく、中学生で第一次UWFに後れを取るまいと学校でプロレス団体を立ち上げる。 かっこよすぎるだろう。その後、カール・ゴッチ、佐山聡、藤原喜明、…

『アーキテクチャの生態系  情報環境はいかに設計されてきたか』 濱野智史 著 NTT出版

そう、こんな本を求めていたのです。 グーグル、2ちゃんねる、ミクシィ、ニコニコ動画などのアークテクチャが、良いとか悪いを一旦カッコに入れて、何ができる・何に向いている・どう進化したか・どう進化させたのか、など、わたしの興味ある内容で分析して…

『サイエンス・イマジネーション』 瀬名秀明 編著 NTT出版

昨年のワールドコン「Nippon2007」の企画に端を発した研究者の発表とSF作家の短篇、それに両者が参加したシンポジウムなどを収録した1冊。 個々の研究、短篇SFはそれぞれで充分面白いが、それらの内容が1冊の本になった時に醸しだされる独特の雰囲気が素晴ら…

『書店はタイムマシーン 桜庭一樹読書日記』 桜庭一樹 著 東京創元社

ずーっと本を読んでいる。 直木賞を受賞した夜も、トップランナーを収録した夜も。 前作『桜庭一樹読書日記』と全く変わらず、読み続けている。 そして桜庭さんとその周りの編集者さんたちのキャラはどんどん立っていくのだった。というか、これをぜひドラマ…

創元の新刊で買うもの。

書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記作者: 桜庭一樹出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2008/10メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 18回この商品を含むブログ (83件) を見る桜庭一樹読書日記の第2弾登場!! 今回はキャラ立ち過ぎの編集者たちとの座談…

『サイコロジカル・ボディ・ブルース 解凍』 菊地成孔 著 白夜ライブラリー

単行本を買おう買おうと思っているうちに文庫になってしまった。 ありがたく文庫で読んでみましたよ。 予想を遥かに上回る面白さ。 プロレス&格闘技への情熱、文章の格好良さ、豊富な知識、すごくバカバカしいノリ。 こんなプロレス&格闘技の本が読みたか…

『文学賞メッタ斬り!2008年版 たいへんよくできました編』大森望・ 豊粼由実 著 PARCO出版

当たらないはずだった『メッタ斬り!』の芥川賞・直木賞予想が当たってしまったシリーズ第4弾。 『メッタ斬り!』らしからぬ(笑)幸せな雰囲気が漂っていま〜す。 でも今回1番面白かったのは、長嶋有と石田衣良をそれぞれ迎えてのトークショー。 なんという…

すでに出てる。

文学賞メッタ斬り!〈2008年版〉たいへんよくできました編作者: 大森望,豊崎由美出版社/メーカー: PARCO出版発売日: 2008/05メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 26回この商品を含むブログ (57件) を見る早く買わねば。

『フェルマーの最終定理』 サイモン・シン 著 青木薫 訳 新潮文庫

出た順番とは逆ですが『暗号解読』に(だいぶ間隔があるけれど)続いて『フェルマーの最終定理』を読んだ。 やっぱり、面白い。 題材の良さも勿論あるのだろうけれど、登場する古今の数学者たちの魅力的な書きっぷり、様々な数学上の事件に読者を引き込む確…

『読むのが怖い! 帰ってきた書評漫才〜激闘編』北上次郎/大森望 著 ロッキング・オン

「季刊SIGHT」連載の書評対談がまた1冊になりました。 この本を読むと、読書ってやっぱり個人的なものだと強く思いました。 他人/世間が何といおうと、自分が思った/感じたことはゆずれない。 というか、ゆずったら面白くない。 北上/大森のお二人は、も…

『本棚』ヒヨコ舎編 アスペクト

帯に「あの人の本棚は、おもしろい。」とあるように、小説家・漫画家・イラストレーター・翻訳家など様々な人々の本棚を紹介し、本と本棚にまつわるインタビューをしている素敵な本。 このタイミングで川上未映子さんと桜庭一樹さんが収録されているだけでも…

これは買い。

本棚作者: ヒヨコ舎出版社/メーカー: アスペクト発売日: 2008/01/18メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 353回この商品を含むブログ (106件) を見るアマゾンによると 【登場する人】 石田衣良/宇野亜喜良/大森望/角田光代/金原瑞人/川上未映子/喜国雅彦/桜…

『読書会』山田正紀&恩田陸 著 徳間書店

ゲストを交える回もありますが、基本的には山田正紀と恩田陸の2人がSF・ファンタジー・ホラーの名作についてじっくり語り合うという形式です。 『果しなき流れに果に』を読み返さなきゃ&『バルバラ異界』を読まなきゃ、という気にさせられました。 あと、山…

『文化系トークラジオLife』 鈴木謙介・仲俣暁生・佐々木敦・柳瀬博一・斎藤哲也・津田大介・森山裕之著 本の雑誌社

TBSラジオの番組が本になった、とのことですがラジオは聞いていません。 アマゾンが見かけたので気になって買ってみたわけですが、面白かった。 自分よりの下の世代の職業観や人生観を全然判ってなかったなあ、と痛感。 硬めの話、やわらかめの話のどちらあ…

『トンデモ超常レポート傑作選』 志水一夫 著 楽工社

と学会の一員でもある志水一夫の久しぶりの単著。 というよりわたしにとって志水一夫といえば、あのアニメックでの面白い連載コラムの書き手な訳で、色々なところに書かれた文書がこうして1冊にまとまっているのは嬉しい限り(アニメックの分もどこかで本に…

『偽史としての民俗学 柳田國男と異端の思想』大塚英志 著 角川書店

柳田國男にも民俗学にもたいした知識を持っていないので、この本独自の視点のどこにあるのかよく判らずに読んでしまいました。 でも、充分刺激的で面白かった。 あとがきで触れられている『北神伝綺』と『木島日記』をまた読みたくなりました。

『ハイスクールU.S.A. 〜アメリカ学園映画のすべて〜』長谷川町蔵・山崎まどか 著 国書刊行会

素晴らしい本でした。 愛と情報の密度が半端じゃありません。 本のすみずみから溢れ出まくってます。 でも、堅苦しかったり暑苦しかったりすることもなく、著者2人の軽快な会話に耳を傾ける感じで読むことが出来ます。 この冬は、この本を片手に未見の学園…

『アニメ検定公式問題集2007』アニメ検定実行委員会 編 小学館プロダクション

全200問。 やってみた。 200問中131問正解。 よかった、半分以上正解だ。 昔の問題は結構わかる(笑)。

『「世界征服」は可能か?』岡田斗司夫 著 ちくまプリマー新書

『レインボーマン』と『バビル2世』(というかヨミさま)がいかにすごいか、を知らしめるのが目的の本ではないと思うが、そこにインパクトがありすぎです。 あと『ドラゴンボール』(の悪役)の意外なほどの奥深さとか。

『法月綸太郎ミステリー塾 日本編 名探偵はなぜ時代から逃れられないのか』法月綸太郎 著 講談社

作家法月綸太郎は同時に優れた批評家でもあります。 傑作評論「大量死と密室 −笠井潔論」「挑発する皮膚 −島田荘司論」は、『本格ミステリの現在』で読んでいたので再読でしたが、再読しても、そして今読んでも(『本格ミステリの現在』は97年刊)大変面白く…

こんなタイトルなら買っちゃうな。

「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)作者: 岡田斗司夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/06/01メディア: 新書購入: 15人 クリック: 197回この商品を含むブログ (296件) を見る

『文学賞メッタ斬り!2007年版 受賞作はありません編』大森望・豊粼由実 著 PARCO出版

ついに年度版化した『文学賞メッタ斬り!』第3弾。 手間がかかっている巻末特別付録も相変わらずありがたいが、ROUND2の「メッタ斬り!が指南! 07年版・公募新人賞の傾向と対策」が俺的には大ヒット。 純文学から、SFやミステリーのエンターテインメントま…

『論理の蜘蛛の巣の中で』巽昌章 著 講談社

「メフィスト」連載中にも読んでいたような気がするが、こうして1冊に纏まるとすごさがはっきりと判ります。 あくまでも時評であり、その時の新刊を中心に書かれているのに、各回ごとのテーマが次回へと微かに繋がっていき、今のミステリーを捉えている言葉…

スパイダーマン3を早く観に行きたいぞ。

ザ・ヒストリー・オブ・アメリカン・コミックス [DVD]出版社/メーカー: ナウオンメディア(株)発売日: 2007/05/25メディア: DVD クリック: 16回この商品を含むブログ (18件) を見るダークマン [ユニバーサル・セレクション] (初回生産限定) [DVD]出版社/メー…

『戦争はいかに「マンガ」を変えるか  アメリカンコミックスの変貌』小田切博 著 NTT出版

目からうろこ落ちまくりの傑作批評。 ようやくイメージコミックス独立に関する個人的な違和感(イメージから出したものが独立しないと描けなかった作品には見えなかった)を払拭出来たよ。 アメコミだけでなく日本のマンガ、そしてアニメ、更にはジャンル・…

『海洋堂マニアックス』あさのまさひこ 編・著 竹書房

今ではフィギュアを集めてもいないし食玩も買わないわたしですが、楽しく読みましたよ。 読み応えも見ごたえもたっぷりです。 特に特撮好きの中年SFファンとしては、雑誌「宇宙船」の話やゼネプロの話がてんこ盛りのChapter05が一番燃えました。 懐かしくも…

『超能力番組を10倍楽しむ本』山本弘 著 楽工社

おお、これは新パターンかも。 いつもの舌鋒鋭い文章ではなく、作家のパパが、娘と娘の同級生の対して超能力番組についてレクチャーする形式となっています。 ギスギスした気分にならずに読めますね。

『殺し 活字プロレスの哲人 井上義啓追悼本』エンターブレイン

今は無き週刊ファイトを最初に読んだのいつのころだったろうか・・・。 たしか父親が出張先の駅で買ったとかで、家に持ち帰ってきたのが最初だったはず。 時は第一次UWFの頃。 そのテレビ放送が無いUWFが生々しく紙面を飾っていて、観たことのない新しいプロレ…

買うしかないよ。

戦争はいかに「マンガ」を変えるか―アメリカンコミックスの変貌作者: 小田切博出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2007/03/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 46回この商品を含むブログ (52件) を見る小田切博『戦争はいかにマンガを変えるか』。 小田切…

『東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム』東浩紀・北田暁大 著 NHKブックス

東浩紀・北田暁大のふたりが、具体的な経験や感覚に基づいた対談で進めていく一冊。 東京に住んでいたのは15年以上前のわたしにはピンと来ない部分もあるけれど、東京の現実に即した話からそれを越える広がりのある意見へと繋がっていくので興味深く読めま…