『都市と星〔新訳版〕』アーサー・C・クラーク 著 酒井昭伸 訳 ハヤカワ文庫SF

都市と星〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF ク)
クラーク作品の中で最も復刊して欲しかった作品が、酒井昭伸訳というありがたい形で読めるようになる幸せ。
それを噛みしめつつ読みました。
やっぱり傑作。
旧版は(SF読み始めの頃)中学校の図書館から借りて読んだ思い出の1冊。
大変感動して、美術の授業であった「小説の表紙を描く」のお題に思わず“砂漠に立つ不滅の都市ダイアスパー”を描いてしまうほど(と思ったけどよくよく考えてみるとそれは挫折して『太陽風交点』にしたのだった)。
不滅の都市とそこからの脱出を目指す少年。
どこをとっても名場面で、名台詞。
SFで読みたいものがぎっしりと詰まっているけど、SFファンじゃなくても理解できるだろう心情とヴィジョンがあるので、広く読まれて欲しいと思います。