『「クロック城」殺人事件』 北山猛邦 著 講談社文庫

『クロック城』殺人事件 (講談社文庫)
20世紀末に終焉を迎えようとしている世界。
ボウガンを操る探偵の元に、城に巣食う幽霊を退治して欲しいと依頼に来た美少女。
そしてその少女と城を探しているSEEMと呼ばれる組織。
その城、「クロック城」に何があるのか!
という感じ読み進めて行ったわけですが、正直最初というか中盤くらいまで読むのがつらかった。
この作品はそこが勝負どころじゃない、って判っている(解説を先に読んだので)のに、ついSF的あるいは伝奇物的に読もうとしてしまう。
そうすると、設定とかネーミングとか文章で読書意欲がつまずいちゃうんです。
それでも、作品の目玉となるトリックはいいと思うし、最後まで読み終えると前半も今の形で良かったような気がしてくる。
最初から設定とか文章が気にならない人は、最後まで楽しんで読めると思うし、前半合わないと思った人でも最後まで読めば読んだ甲斐があったと思えるかも。

むしろ解説でトリックの種類を特定してしまうのが気になる(そういう系列のトリックが好きな人に読んで欲しい、って意図なのは判るけど)。
事前情報なしで読んだ方が楽しいと思うけどなあ。