『調停者の鉤爪』新しい太陽の書② ジーン・ウルフ 著 岡部宏之 訳 ハヤカワ文庫SF

調停者の鉤爪 (ハヤカワ文庫SF―新しい太陽の書)
新幹線の中で読み終えた。
そうそう。
この面白さだ。
このシリーズ、初読の時はこの2巻になってようやく面白さが判ってきたのだった。
SFとしては見なれたガジェットをSF用語を使わないで描写しているので、読んでいてそれが何か判った時、こちらの認識がグラリとして心地よい(というか眩暈な感覚)。
テルミヌス・エストを使うセヴェリアンのチャンバラのかっこよさ。
バッタバッタと切ります。
英雄の介添人なジョナスのいい味。
役に立ってるんだか無いんだか微妙な所がよい。
そして、幻想的で煌びやかなイメージの数々。
どこまでが(作中の)幻想で、どこまでが(作中の)現実かは、はっきりしないけれど、その濃厚な雰囲気を堪能しているだけで、楽しい。
やっぱり傑作だな。