『輝く断片』 シオドア・スタージョン 著 大森望編 河出書房新社

輝く断片 (奇想コレクション)
奇想コレクションスタージョン短篇集第2弾。
「第5回 名無しは無慈悲な夜の女王大賞」投票のため2005年出版分を優先して読んでいるので、ハミルトン、ベスターの2004年組を飛ばしてこちらを先に読むことにした。
収録作は8篇。
「取り替え子」
「ミドリザルとの情事」
「旅する巌」
「君微笑めば」
「ニュースの時間です」
「マエストロを殺せ」
「ルウェリンの犯罪」
「輝く断片」
粒ぞろいだな〜。
どの作品も、キャラクターが(主人公だけじゃなく脇役まで)短いページ数の中で立ち上がってきて、しっかりとした存在感(存在感のない人物の場合は存在感のなさ)を出している。
本当にいる人のような手ごたえあり。
作品の好みとしては「マエストロを殺せ」「ルウェリンの犯罪」の2篇が俺的ベスト。
特に「ルウェリンの犯罪」の主人公の行動原理と考え方って、けっこう俺自身シックリ来たのでドキッとしました。
心の中の本人にしか判らない部分って怖いな。本人にも実は判っていないのかもしれないけど…。
2005年のベスト候補の読み応えでした。