『奇術師』クリストファー・プリースト 著 古沢嘉通 訳 ハヤカワ文庫FT

〈プラチナファンタジイ〉 奇術師 (ハヤカワ文庫 FT)
うわー、変なこと考えるな〜。
いや、メイン・アイディアもさることながら、それをこの構成で見せたことの方が凄いかも。
現代の新聞記者の若者が、自分の祖先とその宿敵の奇術師二人の手記をたどる、って話がメインストーリー。
その二人の生きている19世紀末から20世紀にかけての雰囲気が素晴らしい。
そして、あのニコラ・テスラも重要人物として登場。
やっぱり変人です。
奇術に対する考え方が違う二人の奇術師に、作者プリーストとその論争相手だったイアン・ワトスンの影を見てしまうのは考えすぎでしょうか?*1

*1:確かスタイル志向のプリーストにアイディア志向のワトスンだったと思う