『ノーカット版密閉教室』法月綸太郎 著 講談社

ノーカット版 密閉教室
この本を買ってから2年も経っていたとは・・・。

通常版(?)『密閉教室』は読んでいないので、ノーカット版でどれほど変わったかは判りませんが、楽しんで読みました。
机と椅子がすべて無くなっている教室で亡くなったクラスメートの死の謎を解くため、探偵小説愛好家工藤順也は、相棒の曲輪正嗣と共に事件に挑む。
その教室は、担任教師が死体を発見した時は密室状態だった。

こんなあらすじから予想される通りに、ミステリーファンの願望充足に向かいつつ、しかしそれを真っ向否定する視線もはっきりと打ち出されています。
そこが法月のミステリーに対する正直な気持ちであり、その気持ちに誠実な作品だと思う。

主人公をはじめとする高校生のキャラクターたちの個性が結構強烈で、この個性がパワーアップすると『ブギーポップ』シリーズみたいになるかも。