『アンブロークン アロー』神林長平 著 早川書房

アンブロークンアロー―戦闘妖精・雪風
雪風シリーズ第3弾。
ジャムから人類への宣戦布告(ロンバート大佐による代筆だけど)という神林作品とは思えない初っ端からの大インパクト。
そこから真っ直ぐ戦闘シーンの連続になる訳では無論ない。
雰囲気は、作中に“総力戦”という言葉があるように、神林長平にとっての総力戦の様相を呈してきた。
ジャムの正体を攫むために、もてるすべてを注ぎ込んでいる。
このシリーズとはもっとも離れていると思っていた『猶予の月』のようなアプローチも。
作者の思考の強靭さが世界を支え続ける傑作となりました。