『楽園への疾走』 J・G・バラード 著 増田まもる 訳 創元SF文庫

楽園への疾走 (創元SF文庫)
超過激な環境保護運動家の女医がタヒチ沖の島に作り上げた楽園。
その楽園の様々な変貌を見事に描いているのがさすがバラードなんだけど、『ハイライズ』のように様々な行為が徐々に無臭化されて神話的になっていくこともなく、ぎりぎり現実にとどまるところが、この小説の面白みだと思う。
安心してのんびりと読書をさせる気のないおぞましさが素晴らしいです。