『容疑者Xの献身』監督 西谷弘

先ずは、キャスティングの勝利。
原作ではそんなに魅力的な感じがしない(それだと全体の説得力が下がるんだけど)靖子を、松雪泰子が魅力的な女性として説得力をもって演じてくれました。
なんというか、中途半端で無自覚な悪女(でも善人)、って感じでしょうか。
全体の雰囲気は、TVアニメの劇場版的パワーアップ方式で、ギャグっぽい雰囲気をTVシリーズより減らし、キャラもTVシリーズより大人しくなっていた。アニメでいうと、線を増やして影をいっぱいつけたようなキャラというところ。
ストーリーや設定上の原作改変はわたしには納得できる形になっていて、『容疑者Xの献身』の映像化としてはかなりよいのではないでしょうか?


ただTVシリーズのファンとしては、湯川先生が数式を書く決めシーンが無いのがちょっと寂しい。
四川料理のところか雪山のところが、数式を書くチャンスだったのに……。