『キマイラ』1巻 夢枕獏 著 ソノラマノベルス

キマイラ 1 幻獣少年・朧変 (ソノラマノベルス)
たぶん20年以上ぶりに読む『キマイラ』シリーズの最初の方。
「幻獣少年」と「朧変」の2部構成です(それぞれ元の文庫版の1巻2巻)。
「幻獣少年」の方はまだ肩に力が入りすぎな感じがしてちょっとぎこちないところもあるが、「朧変」になるとのびのびと書いている感じがしてくる。
特に「朧変」より登場する龍王院弘は、獏さんにしか書けない独特の魅力を放っている。
年齢不詳の底抜けに明るい美少年のような笑顔、全身黒ずくめな服装、異様に白い肌、紅い唇、そして華麗な足技。
唯の脇役のくせして目立ちすぎ(笑)。
その後の彼の人生を思うといろいろとアレだが、登場シーンは異様にカッコいい。
もちろん他のキャラも魅力的だし、話も面白く、テーマ的にも人類の進化を意識した部分を含んでいるので、読み逃しはもったいないと思う。
まだ完結してないけどね。