『独裁者の城塞』新しい太陽の書4 ジーン・ウルフ 著 岡部宏之 訳 ハヤカワ文庫SF

独裁者の城塞 (ハヤカワ文庫SF―新しい太陽の書)
仲間を失い、それでもセヴェリアンの旅は続く。
今巻は何といってもアスキア人。
引用でしか話せない文化を持つ敵。
セヴェリアンが参加する戦争の風景と併せて考えると、アスキア人が何の比喩か判りかけて来るような気もするけど、ある意味我々のことを指しているような気もするし、そういう特定の象徴を超えて面白いものになっていると思う。


今回再読してみて思ったのは、前回読んだときよりも理解できた気がしないということ。
でも、前回読んだときよりもずっと楽しめた。
そう、何度読み返しても(読み進めながら確認のために度々前に戻る)楽しく読めてしまう。
作業っぽい感じとか手間とかを感じずに、常に小説に集中できる。
これがウルフの魔法ですね。
そしてP431に素直にしたがって来月からの新装版を読みたいと思います。
まだまだ楽しみは続きます。