『太陽の塔』 森見登美彦 著 新潮文庫

太陽の塔 (新潮文庫)
いや〜、堪能しましたよ。
いいです。
大傑作。
実は次作の2作目『四畳半神話大系』の感想をネットでいろいろと見かけて、これは俺好みだ、買うしかない!!と強く思い込みハードカバーを買ってあるのだ(もちろん積読です)。
そしてデビュー作の日本ファンタジー大賞受賞作の本書が文庫化されたのを機にゲットしました(それでまた積んでた)。
読む前は『四畳半神話大系』に感じたほど俺好みオーラを感じなかったので、あまり期待せずに読み始めたのだが、最初の1頁めからどっぷりとハマった。
京大生の主人公が、グネグネと同じ穴のムジナな仲間たちと、妄想を弄び、自己満足で自虐的な自意識過剰で心と体を鎧のように守り、同時にその重みで傷つきながらも、京都の町をだらだらと疾走する。
読んでいるだけで気持ちがよくなってくる絶妙な文章も、素敵です。
冬の京都を舞台にクリスマスと戦う男たちの物語を、今の時期に読めたのは幸せでした。