『完全版 プロレス悪役シリーズ』①②③④ 原作 真樹日佐夫 漫画 一峰大二 マンガショップシリーズ50
こいつはすげえ!!
『プロレス-パースター列伝』と『プロレス・スターウォーズ』を足して、そこにブルース・ティムのアニメ版『バットマン』を掛けたような素晴らしさ。
『冒険王』で1969年1月号から連載、ってことで今回の復刊が初読です。
登城するレスラーたちは、アントニオ・ロッカ、ヒロ・マツダ、カール・ゴッチ、ケンドー・ナガサキ(桜田の方じゃなくてオリジナルの方)などなど。
悪役(とは思えない人もいますが)レスラーの悲しみと不幸なトラウマが、これでもかってほど描かれていて、ああ確かにこの人はそうやってしか生きられないのだな、と強引に説得されてしまいます。
あと、新聞記者が探偵チックにレスラーの正体探しをするのも、この時代のレスラーにはそこまでの価値があったと思い知らされます。
プロレスが限りなくファンタジーだった時のでたらめなパワーと奥の深さが圧倒的な密度で押し寄せる傑作というか怪作。