『二〇〇二年のスロウ・ボート』 古川日出男 著 文春文庫

二〇〇二年のスロウ・ボート (文春文庫 (ふ25-1))
なに、この疾走感。
こんなに薄いのに(155ページだ)、ぎゅーとお話と情熱が詰まっていてたっぷりと満足感が味わえる。
主人公と3人のかつての恋人が造る、ちょっとした事件と大きな心の動き。
現実の東京の街並みから、何でこんなイマジネーションが飛び出てくるんだろう。
登場人物はみんな素敵で、ちょっと悲しいけど、ブレザーの裏側に包丁を仕込んでいる女子校生板前が過剰にかっこいい。