『銀河忍法帖』山田風太郎 著 講談社ノベルス

銀河忍法帖―山田風太郎傑作忍法帖 (KODANSHA NOVELS SPECIAL)
長らく積読でしたが、NOBさんのところ(id:NOBNOB:20050113#p1)で萌える感想を読んだら、思わず部屋の隅から引っ張り出してしまいました。
イイ!
家康の懐刀・大久保長安(天才の変態)の支配する佐渡島で、大阪方のくノ一・朱鷺と朱鷺に惚れた江戸の無頼漢・六文銭の鉄のコンビが打倒長安に挑む。
というシンプルな構造の話ですが、そこに長安配下の伊賀者の際立った個性とか、長安の妾5人衆の変な武器とか、ネタがてんこ盛りで息つく暇なし。
あと、同じ新潟県の人間としては、佐渡の地名に馴染みがあったので、楽しかった。

しかし、エロもグロもたっぷり入っていて人もたくさん死んでしまう話なのに、この透明な爽やかさは何なんでしょう。
六文銭の鉄の、人を食ったおおらかさに救われる1冊です。