『ラー』 高野史緒 著 ハヤカワSFシリーズJコレクション

ラー (SFシリーズ)
ピラミッドの謎を解くため、タイムマシンで古代エジプトへ向かった男。
しかし、建設中のはずの時点についたと思いきや、ピラミッドは砂の中から掘り出されている途中であった。
はたしてピラミッドはいつ・誰が・何のために作ったのか?
男はタイムマシンの帰還限界時間までに、その謎を解くことが出来るのか?

という話ですが、ピラミッドにも古代エジプトにも全く知識のない(小学生の時より増えていない)わたしでも楽しんで読めました。
次々と繰り出されるピラミッドや古代エジプトの情報を味わっていると、あっという間に読み終わってしまいます。
後半で、主人公と古代エジプト人メトフェルの二人が、真理と信仰に関する会話をかわすのですが、非常に美しく清々しいものになっています。
主人公よりも、そのメトフェルの方が重いドラマを抱えていますね。
あと、タイムリミットがあることに、あまり意味がないのが惜しい。