『ソラリス』 スタニスワフ・レム 著 沼野充義 訳 国書刊行会

ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)
本が出るまで大変長らくお待たせしてくれましたが、ちゃんと出たから全部許す。

タルコフスキーとソダーバーグによって映画化もされた、世界SF界有数の作家レムの代表作。
ハヤカワ版の『ソラリスの陽のもとに』を大昔に読んでいるから(細かいところは忘れたけど)大筋と結末は判っているにもかかわらず、きっちり面白い。
未読の方は、まず愛と知性に溢れる訳者解説を読んで興味をかき立てて見てください。
その文句なしの訳者解説にわたしが付け加えることもほとんどないけれど、ストレートにホラー+恋愛物+哲学SFとして読んでもいいし、何層にも重なった人物間の関係性と意味やソラリスの海が作り出す構造物の描写の異質さを味わうのもいいでしょう、という感じで色々な楽しみ方出来ることが魅力です。

ところで、ハリーをスーパーヒロインとして描くのはどうだ?
マルドゥック・スクランブル』のバロットみたいな感じで。
ということはケルヴィンがウフコックだな。
二人一緒ならハリーは不死身でしょう。