『ヒーザーン』ジャック・ウォマック 著 黒丸尚 訳 ハヤカワ文庫SF

ヒーザーン (ハヤカワ文庫SF)
版元品切れ

うーん、読めてよかった。
一読しただけでは、意味の判んないところもありますが、それでも面白かった。
文章自体はとっつき難い訳ではないが、意味の(パッとは)判りにくいところもある。
それでも、リズム感がいい。
ヴィジュアルなイメージを喚起するというよりは、比喩のユニークさや会話の独特さを味わう感じ。
近未来(今では近過去かな)のアメリカを支配する超巨大企業ドライコの人々と救世主の物語だが、読後感はもっと個人的な感情の物語を読んだよう。

キャラクターはみんないいけれど、ドライコの帝王サッチャーの、アントニオ猪木的矛盾の権化ぶりがなんといってもすごい。
そして魅力的。
もちろん同じ星にいて欲しくない人ではありますけど。


というわけで、『テラプレーン』も購入することを決めました。