『BSアニメ夜話』 NHK・BS2

3回目は『あしたのジョー』。
番組としては面白かったと思いますよ。
あの出演メンバーであれば、ああいう展開になるのはある意味必然だし。
ただ、『あしたのジョー2』がよくも悪くも80年代を象徴するスタイリッシュなだけのアニメ、みたいな語られ方をするのは納得いかない。
リアルタイムで『ジョー2』を夢中になって見ていた人間の意見としては、あれだけカッコイイ男たちが出てくるアニメが他にあるか、って言いたい。
ゴロマキ権藤の渋さ、カーロスの華やかさ、ルポライター須賀さんの気障さ、ホセの重厚さ、そしてジョーの危ういまでの若々しさ。
それまで(『エースをねらえ!』『宝島』など)の出崎作品の様々な名キャラクターたち(千葉ちゃんとかシルバーとかグレイとか)のエッセンスが、『ジョー2』にはたっぷりとあります。
出崎作品の演出は、1シーンだけ切り取って見せるとギャグにしか見えないのは判りきっているんだから、ああいう見せ方はしない方が良かったなー。
せめて池田さんがこっちの回だったら、いいコメントしてくれたと思うけど…。
というわけで、今度『BSアニメ夜話』で出崎作品をやるのなら、純粋にその作品にだけついて語れるものがいい。そうなるとやっぱり『宝島』かな。『おにいさまへ…』だと笑いだけにはしりそうだし(それはそれですごい番組になりそうだが)。