『ケルベロス第五の首』ジーン・ウルフ 柳下毅一郎訳 国書刊行会

ケルベロス第五の首 (未来の文学)

書き忘れてましたが、この本は三つの中篇からなっています。

で、二作目の「『ある物語』ジョン・V・マーシュ作」を読了。
これも書き忘れてましたが、一作目「ケルベロス第五の首」の舞台は辺境にある双子惑星(連星?)の一つサント・クロア。二作目の舞台はそのサント・クロアの双子の惑星サント・アンヌ(と思わせているけどそれは引っ掛けで、実はサント・クロアかもしれない。連星であることしか明確には描かれていない)。
美しく妖しいムードの前作とはガラッと変わり、(ヒロイック)ファンタジー風の物語に。
若き狩人<砂歩き>が呪い師に会うために旅に出て、子供を連れた少女を助けたり、影の子と呼ばれる人類とは別の種族(本当に別の種族なのかは不明)と戦ったりする。エキゾチックなムードが楽しめる娯楽作だが、読みどころは、<砂歩き>が見るさまざまな夢とその意味の解釈だろう。
ラストにやってきたのはアレだろう、とは判る(とわたしは思っている)が、それだけでパズルのピースが全部そろう訳でもないし…。だいたい一作目を解釈するヒントにもまだなってないし。そもそもタイトルにある「ジョン・V・マーシュ作」ってのはどういう意味だろう。マーシュは一作目のあの博士だし。それが書いたことってことは…。

という訳でまだまだ続きます。