『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』 滝本竜彦 角川文庫

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ (角川文庫)
ごく普通の高校二年生山本陽介は、帰宅途中に普通じゃないものを見た。
セーラー服の美少女が、チェーンソーを振り回す怪人と戦っているところだ。
その日から陽介の普通だった日常は、怪人と戦う美少女雪崎絵理を夜な夜なサポートすることに取って代わられた。
はたして、二人は怪人チェーンソー男を倒すことができるのか!

文庫になったので遅ればせながら読んだ。
中途半端にあらすじを知っていたので、現代ヒーロー物のパロディかメタヒーロー物かと思って期待して読み始めたが、全然ヒーロー物(戦うのはヒロインだけど)じゃないよー。
そういう要素は多少はあるが、それはあくまで味付け程度。
メインは青春ドラマ。
そういう風に読めば、楽しく読める佳作でしょう。
下宿での友人との語らい、先生のお説教、テスト赤点、女子高へのお迎え。
べたべたな青春物を、べたべたな言葉を使わずに描いているのが、特徴か。


ジャンル小説的面白さを求めてはいけない作品なのだろう。