『クローバーフィールド』 マット・リーヴス 監督

ネタバレありで行きますのでご注意ください。









噂の手ブレカメラ酔い映画に行ってきましたよ。
窓口でも言われ、さらには渡された紙にも「酔い注意」のアナウンスがあったので、観る前からなんだか具合が悪くなった(たぶん気のせい)。
そして、お客はわたし1人。
なんという贅沢な空間。




だがしかし、あまり楽しめなかったのです。
酔いを我慢していたせいかもしれないけどね。
この映画を怪獣映画として見てしまうと、わたし好みの怪獣映画ではない。
怪獣の目的が判んないのは、怪獣に感情移入(というか応援)できないので、ノレない。
もちろん目的は、人間が勝手に推測したものでいいんです。
怪獣がしようとしていることと人間のしようとしていることの衝突が、怪獣映画の醍醐味だと思う。
あれでは何がしたくてあそこにいるのか判んないぞ、全然。
なんだか怪獣ではなくてただの困った酔っ払いみたいです。
どこかに向かうとか、繭を作るとかしてくれると判りやすくていいんだけど…。
まあ、意図的にそういうのを排除しているんだろう。
あと、人間側にもまったく感情移入できなかったので、ドラマ的興味はほとんど持てなかった。
助かっても助からなくてもどっちでもいい感じ。
面白いと思える怪獣を撮るアングルもあったので、観た甲斐はありましたが。



どうせなら、ヒロインが怪獣の背中に引っ掛かっているのを助けにいく話にすればよかったのでは。
ビルから怪獣に飛び移ったり、怪獣の脚を攀じ登ったり、怪獣の背中から振り落とされないようにギュッと捕まったり。
それをブレまくるカメラで撮る。
というのを考えただけで、また酔いがぶり返してきた(笑)。