『ローレライ』 樋口真嗣 監督 

ううー、傑作かどうかはおいといて、好きです。
と言ったあとちょっともやもやが残る。
そんな感じ。
伝奇戦争物として、あのくらいのリアリティでいいと思う。
新造潜水艦、秘密兵器、不正規兵(ぽい感じ)。そして謎の浅倉大佐(笑)。
イイヨイイヨー。
上にあげた要素が恥ずかしくない程度には、表現されていた。
というか割と格好よく見れた。
戦闘シーンも、思わず拍手!のキマっているカットが幾つもあってうれしい。

しかし、伊507の乗組員達をはじめ、脇役のエピソードや画面上での出し入れに、いささかつまづいていたと思う。
テレビシリーズなら何回も見ていれば視聴者も思い入れが出来るけど、映画の中ではキャラクターを伝えきれていない。
必要ないキャラもいるし(大湊諜報主任)、活かせなかったキャラもいる(清永ピッチャー)。
便所掃除してる時、俺脳内からすっぱり行方不明になった主役クラス(折笠くんね)もいるし。
まあ、これは敵を欺くための演出によるものかも…。

あと、ああいうエピローグを入れるのであれば、それに対応するプロローグが欲しい。
あのアメリカ兵はまったくドラマを背負ってないので、彼が歳をとって出て来ても何にも感じられません。
そして折笠くんは何がしたくて、何が出来て、何を諦めなかったのかなー。
絹見艦長の「諦めないのものが生き残る」に対応してないよ〜。

と言う事で作品として、完全勝利とはいかなかったと思う。
でも敗北とも言えない。
とりあえず生き延びた(興行的には成功かな)ので次に期待。
生き残って次も作品を作る事が大事。